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数日前グループの薬局で、毎回錠剤を半分にカットして1回分ずつ分包紙に入れてお渡ししている患者様から
「錠剤が粉々になってしまっていて・・・。いつもはこんなことはないんだけど。」
というご相談がありました。
半分にカットしたお薬が粉々になってしまった原因は、梅雨の湿気によって錠剤の硬度が低下したためと考えられました。
梅雨の時期は散薬やカットした錠剤が湿度で変質しないよういつにも増して注意を喚起する必要があるのですが、先の患者様には十分にご説明できていなくてご迷惑をおかけしてしまいました。
薬局でお薬を分包するときに使う分包紙は透明の「セロポリ」と半透明の「グラシン紙」に大別されます。
グラシン紙は名前に紙が付いているとおりポリエチレンでコーティングされたパルプ紙で、一見パラフィン紙にも見えます。
セロポリは透明で中身が見やすいが価格が高め、グラシン紙は安価だけれども半透明なため中身が見えにくいので錠剤を入れたときに錠剤の字が確認しにくいというメリットやデメリットがあります。
今回はグラシン紙で分包したお薬が吸湿してしまったということでしたので、セロポリと比べて湿気を通しやすさに違いがあるのかを分包紙メーカーに問い合わせてみましたが、標準的な商品で比べたらどちらも差はありませんという回答でした。
薬局では医薬品メーカーのデータをもとに、長期日数の処方箋であっても散薬や粉砕したお薬が安全に飲めるように医師に照会して薬を変更してもらったり、安定性が保障できる期間の分だけを先に渡して、残りは後日また作ってお渡しするなどの対応をとっています。
しかし湿気が高い梅雨の時期は受け取ったお薬、特に吸湿してしまいそうなお薬の場合はチャック付きのビニール袋か、きちんとフタが出来る気密容器に入れて保管していただくほうがいいようです。
愛グループ薬剤師 向井