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降圧剤
アメリカの32代大統領フランクリンルーズベルト氏は人望のある有能な政治家でしたが、重度の高血圧に悩まされていました。

主治医が高血圧の危険性を十分に認識しておらず、また血圧が高いことが判ってからの治療は生活習慣改善に重点が置かれました。
しかしこの生活改善案は安静や食塩制限、体重減量など生活にかなりの制限をかけるものだったようで、激務の大統領職にあっては到底受け入れることができず、血圧は高いままで推移していき第2次世界大戦終結の4ヶ月前、脳出血により65歳で生涯を終えました。
晩年の頃は血圧が300を超えることもあり、没する2ヶ月前のヤルタ会談では動くと危険なので担架で会場まで移動したそうです。

血圧を下げておく方が将来の脳卒中や脳梗塞の危険性を減らすことができると判ってきたのはそんなに昔のことではなく、ルーズベルト氏の少し前の時代までは死ぬときは血圧は下がるのだから高くても構わないと考えられていました。

今ではどれくらいの血圧なら将来の血管障害の危険度がどのくらいなのかが統計的に判っています。そして高血圧に有効なお薬が次々と開発され、1日1回だけのものが主流になり飲みやすさも向上しています。

血圧のお薬は飲んだが最後一生飲み続けるかというと、必ずしもそうではありません。
血圧を上げている原因が判っている場合、例えばストレスや生活習慣の乱れ、運動不足、肥満、塩分過多、喫煙などが原因だったとして、それらが解消されたら血圧も下がることになるので降圧剤も止めていいことになります。
しかし高血圧の9割は原因不明の本態性高血圧というタイプになります。
この場合は降圧剤を飲み続けることが推奨されます。

ルーズベルト氏がもう少し長生きしていたら、日本への原爆投下はなかったと言われています。
有用な降圧剤が当時あったなら、きっと彼も毎日服用してもう少し長生きできたのでしょう。

血圧が高くても長生きする人は多くいらっしゃいますが、統計的に見れば基準値以下に抑えておく方が老後を無事に過ごすことができる確率が高いようなので、血圧が高いようでしたら早めに医師に相談されることをお勧めします。

愛グループ薬剤師 向井
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