忍者ブログ
愛グループからのメッセージ
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

高尿酸血症
尿酸値を下げる薬の添付文書を見ると、
「痛風・高尿酸血症を伴う高血圧症の場合の高尿酸血症の是正」と書いてあります。
痛風なのに高血圧?尿酸が高いだけではお薬は飲まなくてもいいのかなという疑問が出てきます。
どうして高血圧じゃないと尿酸のお薬は保険適用になっていないのでしょうか。

この件について尿酸を下げるおくすりのメーカの方に質問したことがあるのですが、さあどうしてでしょうねという様子で教えてくれませんでした。
医薬品メーカーは膨大な製品を販売しており、自社製品全部を覚えているわけにはいかないので別に即答してくれなくてもこちらとしては構いません。
判らないならメーカーの学術部に聞いてくれればいいのにとも思いましたが、教えてくれないので調べてみることにしました。

結果、高血圧と高尿酸血症の併発している人は心血管事故(心臓や脳の血管障害)を起こすリスクが高く、尿酸値だけ高い人は調査結果がまちまちでよくわからないということでした。
保険は「病気」を治療する行為や医薬品を対象にしているので、単に尿酸が高いだけのような状態では尿酸値を下げる医薬品の保険適用はしませんよというスタンスです。
もちろん痛風発作であちこち痛くなれば鎮痛剤が保険適用になります。

尿酸値が高いと尿酸の結晶ができて、その結晶が物理的に関節痛や痛風発作、尿路結石などで関節や腎臓にダメージを与えることはよく知られています。
しかし近年、尿酸の結晶の有無に関係なく、尿酸値が高い状態では高血圧や肥満、糖尿病、高脂血症、肝障害、そして脳血管障害や虚血性心臓病を合併してくることがわかってきました。

さらに体質のベースに高尿酸血症があると、糖尿病や高血圧、心臓病が加わった場合、それぞれの疾患単独の場合よりも心血管事故の危険性が増すことにもなるそうです。

痛風発作がないから尿酸値が高くてもいいやというわけにはいかないようです。
しかし尿酸値が高くても血圧が高くないならお薬の面倒は見ません、というのが健康保険の姿勢なので、生活習慣改善で対応する必要があります。
尿酸は尿を弱酸性~アルカリ性にしたり、水をたくさん(1日2㍑程度)飲むことで排泄されやすくなります。尿をアルカリ性にするには野菜中心の食事や酢の物をとることが有効です。
プリン体が多い食品はダメともよくいわれますが、プリン体食品の制限は努力の割に効果が乏しいので、プリン体に気をつけながらもバランス良く食べることが重要です。

ビールはダメでも焼酎ならいいんじゃないかという話も聞きますが、アルコール自体が尿酸の産生を高め、尿からの排泄を抑制する働きがあります。
残念ながら酒の種類に関係はありませんので控えて下さい。
どうしても飲みたい場合はそのあとに水も酒以上に飲むようにして下さい。
アルコールは利尿作用により脱水方向に持って行きます。そのときに水を補うことが必要になるのです。

愛グループ薬剤師 向井
PR
| prev | top | next |
| 17 | 16 | 15 | 14 | 13 | 12 | 11 | 10 | 9 | 8 | 7 |
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最新記事
忍者ブログ  [PR]
  /  Design by Lenny