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愛グループからのメッセージ
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高尿酸血症
尿酸値を下げる薬の添付文書を見ると、
「痛風・高尿酸血症を伴う高血圧症の場合の高尿酸血症の是正」と書いてあります。
痛風なのに高血圧?尿酸が高いだけではお薬は飲まなくてもいいのかなという疑問が出てきます。
どうして高血圧じゃないと尿酸のお薬は保険適用になっていないのでしょうか。

この件について尿酸を下げるおくすりのメーカの方に質問したことがあるのですが、さあどうしてでしょうねという様子で教えてくれませんでした。
医薬品メーカーは膨大な製品を販売しており、自社製品全部を覚えているわけにはいかないので別に即答してくれなくてもこちらとしては構いません。
判らないならメーカーの学術部に聞いてくれればいいのにとも思いましたが、教えてくれないので調べてみることにしました。

結果、高血圧と高尿酸血症の併発している人は心血管事故(心臓や脳の血管障害)を起こすリスクが高く、尿酸値だけ高い人は調査結果がまちまちでよくわからないということでした。
保険は「病気」を治療する行為や医薬品を対象にしているので、単に尿酸が高いだけのような状態では尿酸値を下げる医薬品の保険適用はしませんよというスタンスです。
もちろん痛風発作であちこち痛くなれば鎮痛剤が保険適用になります。

尿酸値が高いと尿酸の結晶ができて、その結晶が物理的に関節痛や痛風発作、尿路結石などで関節や腎臓にダメージを与えることはよく知られています。
しかし近年、尿酸の結晶の有無に関係なく、尿酸値が高い状態では高血圧や肥満、糖尿病、高脂血症、肝障害、そして脳血管障害や虚血性心臓病を合併してくることがわかってきました。

さらに体質のベースに高尿酸血症があると、糖尿病や高血圧、心臓病が加わった場合、それぞれの疾患単独の場合よりも心血管事故の危険性が増すことにもなるそうです。

痛風発作がないから尿酸値が高くてもいいやというわけにはいかないようです。
しかし尿酸値が高くても血圧が高くないならお薬の面倒は見ません、というのが健康保険の姿勢なので、生活習慣改善で対応する必要があります。
尿酸は尿を弱酸性~アルカリ性にしたり、水をたくさん(1日2㍑程度)飲むことで排泄されやすくなります。尿をアルカリ性にするには野菜中心の食事や酢の物をとることが有効です。
プリン体が多い食品はダメともよくいわれますが、プリン体食品の制限は努力の割に効果が乏しいので、プリン体に気をつけながらもバランス良く食べることが重要です。

ビールはダメでも焼酎ならいいんじゃないかという話も聞きますが、アルコール自体が尿酸の産生を高め、尿からの排泄を抑制する働きがあります。
残念ながら酒の種類に関係はありませんので控えて下さい。
どうしても飲みたい場合はそのあとに水も酒以上に飲むようにして下さい。
アルコールは利尿作用により脱水方向に持って行きます。そのときに水を補うことが必要になるのです。

愛グループ薬剤師 向井
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降圧剤
アメリカの32代大統領フランクリンルーズベルト氏は人望のある有能な政治家でしたが、重度の高血圧に悩まされていました。

主治医が高血圧の危険性を十分に認識しておらず、また血圧が高いことが判ってからの治療は生活習慣改善に重点が置かれました。
しかしこの生活改善案は安静や食塩制限、体重減量など生活にかなりの制限をかけるものだったようで、激務の大統領職にあっては到底受け入れることができず、血圧は高いままで推移していき第2次世界大戦終結の4ヶ月前、脳出血により65歳で生涯を終えました。
晩年の頃は血圧が300を超えることもあり、没する2ヶ月前のヤルタ会談では動くと危険なので担架で会場まで移動したそうです。

血圧を下げておく方が将来の脳卒中や脳梗塞の危険性を減らすことができると判ってきたのはそんなに昔のことではなく、ルーズベルト氏の少し前の時代までは死ぬときは血圧は下がるのだから高くても構わないと考えられていました。

今ではどれくらいの血圧なら将来の血管障害の危険度がどのくらいなのかが統計的に判っています。そして高血圧に有効なお薬が次々と開発され、1日1回だけのものが主流になり飲みやすさも向上しています。

血圧のお薬は飲んだが最後一生飲み続けるかというと、必ずしもそうではありません。
血圧を上げている原因が判っている場合、例えばストレスや生活習慣の乱れ、運動不足、肥満、塩分過多、喫煙などが原因だったとして、それらが解消されたら血圧も下がることになるので降圧剤も止めていいことになります。
しかし高血圧の9割は原因不明の本態性高血圧というタイプになります。
この場合は降圧剤を飲み続けることが推奨されます。

ルーズベルト氏がもう少し長生きしていたら、日本への原爆投下はなかったと言われています。
有用な降圧剤が当時あったなら、きっと彼も毎日服用してもう少し長生きできたのでしょう。

血圧が高くても長生きする人は多くいらっしゃいますが、統計的に見れば基準値以下に抑えておく方が老後を無事に過ごすことができる確率が高いようなので、血圧が高いようでしたら早めに医師に相談されることをお勧めします。

愛グループ薬剤師 向井
漢方薬エキス顆粒
小学生の頃はたまごふりかけが大好物でした。
でもたくさんかけると叱られるので、自分で作れないかと思い立ったことがあります。
たまに食卓にゆで卵が出てきたときに黄身をほんの少しだけ隠し持って、少量の水を加えて練り、机の裏に貼り付けたままで学校に行きました。
帰宅して調べてみるといつも固く貼り付いていて、ふんわりカリカリのたまごふりかけにはなりませんでした。

フリーズドライは水分を含んだ食品などをマイナス30℃程度で急速に凍結し、さらに減圧して真空状態で氷の状態の水分を昇華させて乾燥させたものです。
昇華とは固体が液体の状態をを経ずに直接気体になることで、ナフタリンやドライアイスが身近な例です。
食品などを急速に凍らせて減圧すると、氷になった部分だけ消えて無くなるので、小さな空間がたくさんできる多孔質、すなわちふんわりカリカリになります。
水で戻すときにもその空間に水が簡単に入っていくので、乾燥する前の状態を再現しやすい特徴があります。

医薬品でフリーズドライの代表格は漢方薬でしょう。
本来、漢方薬は植物や動物・鉱物など自然界に存在する、いわゆる生薬を長い経験により上手く数種類組み合わせて、病気の治療に役立つように考えられたものです。
生薬はそのままかじって呑み込むわけにはいきませんので、一旦鍋や鉄瓶で煎じて飲む必要があります。でもそれにはとても時間と手間がかかります。
この煎じた漢方液剤を凍結して減圧乾燥させると、現在よく使われている漢方エキス顆粒になります。

漢方薬を苦手な人は多く、オブラートで飲んでいる人もいらっしゃいます。
しかし漢方薬は、その香りや味も薬効のうちとされています。
私の知り合いに漢方薬店の2代目がいて、その人は漢方エキスを水なしで飲めるのが自慢でした。
水なしやオブラートで呑み込んでしまうのは漢方薬の効果を十分に引き出しているとは言えません。湯や微温湯に溶かして味わいながら飲むことが基本です。
溶かすことによってフリーズドライする前の本来の煎じた漢方薬に戻ります。

フリーズドライのコーヒーや味噌汁ををそのまま飲む人はいませんよね。
香りや味も薬効のうちと聞けば、いままで苦手だった漢方も少し楽しんでみようかという気になりませんか?

愛グループ薬剤師 向井
あせも
南九州では早くも梅雨が明けてしまいました。
例年なら7月半ばくらいに明けるので、2週間は早い計算になります。
小中学校のころは、梅雨が夏休みまでに明けてくれるかどうかで気をもんだ思い出があります。
夏休みに梅雨が食い込んでしまうと、なんだか損したような気分になりました。

梅雨が明けるとあせも(汗疹)の季節です。
あせもは汗をかき続ける状態が続くとなりやすいのは皆さん経験的にご存じでしょう。
汗が汗腺に残ってしまい皮膚の中に漏れ出てしまうと白い汗疹となり、これは自然に治ってしまうことが多いようです。
また汗を掻いたままの状態にしておくと汗が原因で皮膚に炎症ができてしまうこともあり、これが赤い汗疹となり、炎症がひどいとお薬で治す必要も出てきます。

あせもの予防は汗をそのままにしておかないことに尽きます。
まめに洗い流すことが理想ですが、濡らしたタオルなどで汗をふきとったり、着替えをしてしまうことも有効です。

あせもでもひどくなると他の皮膚炎と同じく、痒みや炎症を和らげる効果のある塗り薬を使うこともあります。
軽いステロイドの入った塗布剤を処方されることもありますが、ステロイド剤はなんだか恐そうだからといって適当に使っていると結局治療が長引いてしまい、ステロイド剤を当初の予定以上に使うことにもなりかねません。
医療機関では塗り方や止め時などの説明をよく聞いて守って下さい。

軟膏やクリーム剤を塗るときはすり込まずに延ばすように塗って下さい。
すり込むと皮膚に刺激を与えることになり、痒みや炎症が誘発されてしまいます。
一度手のひらに塗り広げて、その手のひら全体で患部をなでるように塗るのがいいでしょう。

汗をかいたら早めに流す、汗疹になっても早めに対処することが悪化を防ぎます。

愛グループ薬剤師 向井
湿布
お薬を渡し終わって「お大事になさってくださいね」の後に、
「兄ちゃん、今日はサロンパスは出ていなかったかなあ。」
と言われることがあります。
高齢の方は湿布のことをサロンパスと呼ばれる方が多いようです。
サロンパスは湿布の代名詞ともなっているくらいですので、昔からよく売れていたのだろうと想像できます。
サロンパスの名前は主成分の「サリチル酸メチル」と「プラスター剤」を組み合わせて付けられたそうです。

鎮痛用貼付剤、いわゆる「湿布」は需要の多い医薬品のひとつです。
ひとくちに湿布といってもすり下ろした大根を布に塗っただけの民間療法の湿布から、医薬品として使われている湿布まであります。
湿布は消炎鎮痛成分とスーっとする成分、そして水分が入っているいわゆる湿布(パップ剤)と、消炎鎮痛成分と刺激成分を主成分にした水が入っていないプラスター剤に分けられ、それぞれにトウガラシ成分の有無によって温感タイプと冷感タイプが用意されています。
パップ剤は水分が蒸発することによる冷却効果も期待できます。

痛いときに患部を温めた方がいいか、冷やした方がいいかとよく聞かれます。
原則としては急性期で腫れて熱感があるようなら冷感タイプを選び、慢性的な痛みならばどちらでも構いません。

湿布は治療上重要なアイテムですが、近年の医療費増大により湿布を保険外にしようかという案も出ています。
湿布は市販のものもたくさん販売されているからそちらを買ってください、医療保険でなくても十分じゃないですかというわけです。
適正な部位に適正な回数だけ貼ることが必要です。
痛みはないけど貼れば気持ちがいいから貼る、そんな本来の医療から外れた目的で使う人がいらっしゃれば、保険から外されてしまう日が本当に来るかも知れません。

愛グループ薬剤師 向井
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